作品テキスト
作品58と呼応 ― 待ちつづけて石になった存在。
画面いっぱいに
乾いた光がうねる。
波のようでもあり、
野のようでもあり、
一面、黄ばんだ肌理である。
そのただ中で、
一頭の馬と一人の人とが
黒い塊となって絡みあい、
たがいを抱きとめる。
上には、乾いた日が浮かんでいる。
この光の下では、
長く待ったものが
動きを失う。
人と馬は
寄りかかったまま固まってゆく。
去ることもできず、
手放すこともできず、
ついに一つの石となる。
石になってもなお
待つことをやめられなかった
心の形である。
主要文脈
邊時志は、済州の風土を単なる背景ではなく、存在の条件として描いた韓国の近現代画家です。孤独、待つこと、風、枯れ草の色を通して、地域性と世界性を結ぶ韓国モダニズムのグローカルな美学を築きました。
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