作品テキスト
日は昇っているが、
世は明るくない。
左の二人は
たがいに寄りかかって座り、
馬は黙ってそのそばを守る。
中央の一人が
両腕を天へとあげる。
歓喜の身ぶりではない。
暗い歴史の中でも、
希望を手放すまいとする身ぶりである。
烏は通り過ぎ、
風はやまない。
けれど人は、
ついに両腕を下ろさない。
希望とは、
明るい日を信じることではなく、
暗い日にもなお
天へ手をあげることなのかもしれない。
主要文脈
邊時志は、済州の風土を単なる背景ではなく、存在の条件として描いた韓国の近現代画家です。孤独、待つこと、風、枯れ草の色を通して、地域性と世界性を結ぶ韓国モダニズムのグローカルな美学を築きました。
画家済州日本ソウル秘苑(昌徳宮後苑)近代現代芸術美術
