作品テキスト
作品69と呼応 ― 姿勢としての希望。
海が
枯れ草色に揺れている。
上には、黒い太陽がひとつ。
浮かんではいるが、
何も照らさない。
小さな舟が一艘、波の上に浮かび、
その下では、一人の人が
小馬に身を寄せている。
光がないからといって、
生まで消えるわけではない。
黒い太陽の下でも、
舟は浮かび、
馬と人はたがいに寄りそい、
海はついに動く。
希望とは、光を待つことではなく、
光がなくても
たがいに寄りそって残ることなのかもしれない。
主要文脈
邊時志は、済州の風土を単なる背景ではなく、存在の条件として描いた韓国の近現代画家です。孤独、待つこと、風、枯れ草の色を通して、地域性と世界性を結ぶ韓国モダニズムのグローカルな美学を築きました。
画家済州日本ソウル秘苑(昌徳宮後苑)近代現代芸術美術
