作品テキスト
黒が画面を呑みこんだ。
空も地もなく、
世界のすべてが吹き荒れる。
木は根こそぎ揺らぎ、
馬はうなだれた。
もう見つめる舟が
ないからだ。
その黒のただ中に
家が一軒、
低く伏せて耐えている。
これは
もっとも暗いイオド。
空の舟が戻る前、
烏が鳴く前、
嵐がまさに
その人を連れ去ってゆく
夜である。
主要文脈
邊時志は、済州の風土を単なる背景ではなく、存在の条件として描いた韓国の近現代画家です。孤独、待つこと、風、枯れ草の色を通して、地域性と世界性を結ぶ韓国モダニズムのグローカルな美学を築きました。
画家済州日本ソウル秘苑(昌徳宮後苑)近代現代芸術美術
